名古屋市小児在宅医療講習会で院長が登壇いたしました。

名古屋市小児在宅医療講習会で院長が登壇いたしました。

開催日:令和6年2月10日
場所:名古屋市医師会館
令和5年度名古屋小児在宅医療講習会

この講習会では愛知県や名古屋市における医療的なケアが必要なお子さん(医療的ケア児)や、重症心身障害児(者)の方の医療・小児在宅の現状と課題というテーマで講演が行われ、医師をはじめとする医療関係職種や障害福祉関係の方およそ100名が参加しました。

講演は愛知県における重症心身障害児(者)・医療的ケアが必要なお子さんの現状や課題の話から始まり、そのような方や家族に必要なサービスについて、障害を持った子どもたちが地域で暮らしていくために名古屋市や医療機関が取り組んでいることなどをその歴史的背景も踏まえつつ、小児科医や在宅医、市役所職員などそれぞれ第一線でご活躍されている方々からお話を聞くことができました。なかでも、小児科から内科などの成人科へ主治医が変わっていく移行期医療についての講演では、小児科と内科、病院医と在宅医など医師同士の連携の大切さや、年齢で一律線引きできるわけではなくケースバイケースの中で患者さん(とその家族)の人生をどのように考え支援していくかが重要となるかを考える機会となりました。

移行期医療についての講演の1つに当院院長の野村も登壇し、『内科医の視点からみた移行期医療』というテーマで講演を行いました。当院では未就学児から成人期にいたる重症心身障害児(者)の訪問診療も行っており、在宅医として訪問している中で感じた小児患者や移行期患者の特徴や関わり方について、高齢者訪問診察と比較しながら発表しました。高齢者と比べ、小児患者や移行期患者は家族の介護力が高いことが多く、在宅の主治医だけでなく病院主治医もいることで緊急時の入院などの対応がスムーズにできるという心強い点がある反面、てんかん薬など専門医でないと調整の難しい薬があることや福祉の制度が複雑で理解が難しいという課題等、内科医からみた移行期医療の現状と課題を報告しました。その後の演者全員でのパネルディスカッションでは聴衆も含め活発な議論が行われ、関心の高さがうかがわれました。

当院では今後も医療的なケアや障害を抱えた子どもたちを地域で支えていくためによりよいサービスが提供できるよう、当院スタッフ一同で取り組んでいきたいと思います。

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