地域共生を支える・医療・介護・市民
全国ネットワーク 第4回全国の集い in鶴岡
地域共生を支える・医療・介護・市民全国ネットワーク 第4回全国の集いは10月12日・13日に山形県鶴岡市で開催されました。今回のテーマは「楽しく悩め!地方発・一歩先の地域共生モデル」です。あいち診療会からは介護福祉士の松永良介・理学療法士の長﨑泰生が、あいち診療所グループの社会福祉法人淳涌界からは市川直樹が大会の発表者として登壇いたしました。その内1名が「継続した発表を期待する」という意味をこめたフォローアップ賞を獲得し、参加者それぞれが得た学びを持ち帰り、今後の実践につなげていく貴重な機会となりました。
情報共有の重要性
参加者が共通して感じたのは「情報共有の重要性」です。鶴岡市では、地域内の病院・診療所・訪問看護ステーション・薬局・介護事業所等が情報を共有することができる、地域包括ケアシステムに対応したヘルスケアSNS「Net4U」を導入し、患者・家族への報告も写真や動画で共有できるという内容が紹介されました。同じ知識レベルでつながることが、安心と信頼を生み利用者・患者のサポート強化と幸福度に繋がります。
もう一つ印象的だったのは「発信の力」です。講演では、介護や在宅ケアをテーマにした映画を制作したプロデューサーが登壇し、「現場のリアルを世の中に伝えることの大切さ」について語られました。単に良い面だけでなく、課題も含めて発信してこそ、社会に理解が広がる。SNSやホームページを通じて現場の声を届けることが、地域共生の第一歩であると再確認できました。
腸内細菌ドネーション
この「共生」や「共有」「発信」という考え方をさらに深く感じさせたのが、「腸内細菌ドネーション(便の提供)」という新しい社会貢献の紹介でした。これは便を提供し、抽出・精製された腸内細菌を医療や創薬に活かす取り組みです。便から抽出された腸内細菌は、潰瘍性大腸炎や食道がん・胃がんなどに対する新薬開発や、腸内細菌叢移植の原材料となり、 “いのちをめぐらせる支え合い”の新しい形です。
ドネーションをされる方は少しでも良い便を提供できるように普段の食事に気を付けるようになった、とお話しされていました。
私たちは今回の学びを通じて、「支え合い」とは決して特別なことではなく、日々の中にある“めぐり”であることを改めて実感しました。人と人、地域と地域、そしていのちといのちがつながり、そして支え合う。医療・介護・市民が一体となって築く地域共生社会の実現に向けて、今後も一歩ずつ歩みを重ねてまいります。(文責渡邉)

大会での発表をおえて
あいち診療所野並 介護福祉士 松永 良介
『主体性伸化への取り組み』

全国の集いin鶴岡では、転倒予防に役立つ靴の履き方やリモート診療車を活用した持続可能な企画を拝聴し、貴重な経験をさせていただきました。
私は今回、ご利用者の主体性に着目した取り組みを発表しました。「夢」は抽象的故にイメージが湧きにくいですが、具体的で現実的な「目標」を定め、達成することでご利用者の主体性が伸び、笑顔が増える結果となりました。その積み重ねが「夢」を持つことに繋がればいいなと考えています。
山形・出張・発表という3つの初めてが重なり、凄く緊張しましたが、メンバーの支えもあって力へ変えることができたので感謝しています。

あいち診療所野並 理学療法士 長﨑 泰生
『花嫁の父として「立つ」ことの意味~重度パーキンソン病者における参加支援の実践~』

今回、「障害や課題を抱える人との共生」というテーマで発表させていただきました。
娘様の「父とバージンロードを歩きたい」という願いから始まった支援でしたが、病状の進行により当初の目標は難しいと判断しました。そこで、ご家族と本人様が大切にしている「父として娘を送り出す」という想いを尊重し、残存機能を活かして「お辞儀をする」という形で目標を再設定し、式当日自らの足で立ち、お辞儀をして役割を果たすことができました。
理学療法士は「機能改善」、「生活の質」はもちろんのこと、「人生の質」の支援も役割であると改めて感じました。機能的な改善が難しい中でも、本人、家族の想いに寄り添い、実現できる形を一緒に探すことで人生の一場面に寄与できたことは大きな学びでした。
今後も目の前の動作だけでなく、その先にある「想い」に向けた支援を大切にしていきたいと思います。
『介護福祉士 松永良介 発表の様子』

『発表スライドの一部』

『理学療法士 長﨑泰生 発表の様子』

Happy Halloween
アラジンとジャスミンになったよ。かわいいでしょ

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新生児の予防接種から在宅看取りまで




