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高血圧や肥満、関節痛予防に!高齢者のダイエットについて

高血圧や肥満、関節痛予防に!高齢者のダイエットについて
ダイエットとは、痩せる太るという体重の増減に焦点をあてたものではなく、健康的になるための食事(規定食)というように厚生労働省で定義されています。
規則正しい生活習慣と、食事のコントロールと適度な運動をすること。それを継続した結果として余分な脂肪が落ちて体重が減ったり、筋肉がつくられ体が引き締まったり、生活習慣病を予防します。
将来健康的に過ごすために、早めの健康づくりの積み立てが大切です。
今回は高齢者の方の健康的な食事や運動について考えてみましょう。

①高齢者に必要なエネルギー量

人間が生命を維持するために呼吸したり心臓を動かしたりするために必要なエネルギーを「基礎代謝」と言います。一般的に加齢に伴い基礎代謝量は低下しますが、その主な理由として筋肉量減少や内臓、脳などの代謝量が低下するためです。
(体重70kgの男性の基礎代謝量の推定値は、20歳代で1680kcal、50歳代で1505kcalとなり、1日でおよそ175kcalの差)
基礎代謝量は1日の消費エネルギー量の約6~7割を占めているため、基礎代謝が低くなり摂取したエネルギーが使われずに余るようになると、脂肪として体に蓄積されます。
「以前と同じものを食べても太ってしまう。」という現象はこれが原因かもしれません。

ダイエットをしてもしなくても、まず自分の身体を知っておくことは大切です。
体重だけでなく体脂肪率、筋肉量、基礎代謝量などが表示される体重計もあります。

推定エネルギー必要量(男性)(kcal/日)1)
身体活動レベル Ⅰ(低い) Ⅱ(普通) Ⅲ(高い)
74歳 2,050 2,400 2,750
75歳以上 1,800 2,100
推定エネルギー必要量(女性)(kcal/日)1)
身体活動レベル Ⅰ(低い) Ⅱ(普通) Ⅲ(高い)
6574 1,550 1,850 2,100
75歳以上 1,400 1,650

※身体活動レベル:

  • Ⅰ(低い):生活の大部分が座位で、静的な活動が中心の場合。(75歳以上は、自宅にいてほとんど外出しない者、また、高齢者施設で自立に近い状態で過ごしている者にも適用できる値である。)
  • Ⅱ(普通):座位中心の仕事だが、職場内での移動や立位での作業・接客等、あるいは通勤・買物・家事・軽いスポーツ等のいずれかを含む場合。(75歳以上は、自立している者に相当する。)
  • Ⅲ(高い):移動や立位の多い仕事への従事者。あるいは、スポーツなど余暇における活発な運動習慣をもっている場合

(日本人の食事摂取基準2020年版より)

②高齢者がダイエットするメリット

見た目は標準体型でも、筋肉や骨に比べて内臓脂肪が多い状態の「隠れ肥満」は要注意です。
その中でも、筋力が低下し身体機能が低下するサルコペニアの状態のものを「サルコペニア肥満」といい、メタボよりも高血圧や脂質異常、糖尿病などの生活習慣病や認知症のリスクが高いと言われています。
食事や運動のコントロールで、必要な筋肉をつくり余分な脂肪を落とすことは、生活習慣病の予防になり更には介護予防につながります。

②高齢者が安全にダイエットする方法

【食事】
筋肉を作るためには十分なたんぱく質が必要です。
1日の必要量は、「体重(kg)×1.0~1.2g」で、50kgの方は、50g~60g/日のたんぱく質を必要とします。

肉類や魚介類、卵、大豆製品、乳製品などの良質なたんぱく質を積極的に食べましょう。
たんぱく質は穀類や野菜類にも含まれますが、「良質なたんぱく質」はアミノ酸のバランスがよく生体内での利用効率が高いものです。

私たちの筋肉は絶えず合成と分解を繰り返しており、分解は空腹時に、合成は食後に起こります。食事ごとのたんぱく質の質が不良だったり量が少ないと、筋肉の分解が進みやすくなります。3回の食事それぞれで良質なたんぱく質を食べることが、筋量を維持するために必要です。
特に朝食のたんぱく質摂取は筋肉量増加に効果があるため、欠食しないようにしましょう。
歯の不具合で肉などが食べられずに食事が偏り、たんぱく質不足になる場合があります。何でも噛める歯を整えておきましょう。
食事をきちんと食べる為に、お菓子や果物などの間食の食べ過ぎに注意しましょう。

たんぱく質60gの目安量

【サプリメント】

ビタミン・ミネラル類は必須です。食事で、野菜等を加えて栄養バランスよく組み合わせることにも気を付けましょう。不足する場合はサプリメントで補う手段もあります。
プロテインパウダーには、たんぱく質以外の栄養素もバランス良く配合されたものが多いため、栄養補助として、間食や運動前後に利用すると良いです。

【運動】

運動は、必要な筋肉を取り戻し余分な脂肪を落とすことができるもっとも手軽な方法です。
散歩などの「有酸素運動」だけでなく、筋肉を意識して使う「筋トレ」を取り入れる方が効果的です。
筋肉量の多い下半身を鍛えることで、活動エネルギー量の増加や基礎代謝量の向上効果でダイエットができるだけでなく、立ったり歩いたりする姿勢を保ち日常生活の質を維持する事にもなります。ストレッチ、スクワット、もも上げ、つま先立ちなどを組み合わせて1日5分を2セット程度を目安に自分に合った量の運動を行いましょう。

この記事の監修者

野村 秀樹
野村 秀樹あいち診療所野並 院長
認知症や多疾患をもつ高齢者など高齢者医療を専門としながら小児から生活習慣病をはじめ内科一般にまで対応。地域で暮らし続けるために家族関係や諸制度なども視野にいれた医療を実践している。

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